(前の話は
3月20日の日記をご覧ください)
私の代になって、前アシスタントコーチがヘッドに昇格しました。
アシスタントの時は私もかなり彼のことを慕ってたんですが、ヘッドになった途端に、
今で言う、“俺流”になってしまい、反発心がにょきにょき芽生えてきてしまいました。
私を“叱って伸ばすタイプ”と思ったらしくとにかく叱られ、今まで自信を持って練習してきたことを
さっぱりチームとしてやらせてもらえず、過小評価されている気がしてなりませんでした。
それでも、選手とは個人的には話さない、という彼の方針もあって、ちゃんと言葉にして伝えることができないまま(今思えばそれでも話せばよかったのですが)、溝がどんどん深まっていってしまいました。
まぁそんな感じでねー。とても、“すいません、なんか膝が痛いんですが、休んでいいですか”
と言い出せる雰囲気じゃなかったんですよ(笑)
言ったら、スタメンなんか外されてしまうだろうと思ったし、一度外されたら、もう戻れないだろう
という勝手な恐怖心もあって。で、プレーを続けていたから当然怪我は悪くなる一方です。
引退して1ヶ月半後には、入院、手術、って流れになってしまいました。
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ここからはちょっとマニアックな話になりますが、
バスケ部を引退したとき、私の膝はかなりよろしくないコンディションでした。
左右とももともとpatella alta(※1 膝蓋骨が通常より高い位置にある状態)なのと
squinting patellae(※2 膝蓋骨が内側に向いている状態)だったもので、
patellar tracking problemがありまくり。bilateral chronic patellar tendinitis
(膝蓋靭帯炎、別名ジャンパーズニー)に苦しんでいました。
stage3。結構痛かったです。
最後のほうは痛み止めと、大会前にはステロイド打って騙し騙しやってました。
あと、当時、左足のSLRが出来なかったんです!
やろうと思っても、今思うとVMOがfire offの仕方を忘れちゃってたみたいで、
lower legが20゜くらいdrop(※3)しちゃうんですよ。で、その状態でならraiseできる。
バカVMO~~。
あとですね、一番ひどかったのが、時々膝がガクってなること。
なんていうか、歩いて踏み込むときに、地面でふんばる方の足の膝が
stabilizeせずにkeep goingしちゃう感じ。で、カクンって膝が前に抜けちゃうんです。
こけそうで、ひやりとします。
歩いててたまに起こるんですが、いつ来るかは分からないので、ジェットコースター気分(笑)
たぶん、これがcollapsing kneeってやつですね。
今思うと、そんな状態でバスケなんてありえね~って感じですが…。
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そんなわけで、膝により安定感を戻すために手術しました。
手術と言うと人間、感傷的になりがちかもしれませんが、個人的にとっても楽しかったです。
アドレナリン出まくりだったんでしょうか?
手術の前に、まず内視鏡を入れました。
小さな穴を2つあけて、ひとつは内視鏡、もうひとつからは細い銀の棒を入れます。
TV画面に膝の中の映像が映し出されて(下半身麻酔だったので起きて見てました)、
お医者さんが、棒で中のstructureを確かめるため、つくつく突いて進んでたんですね。
靭帯は大丈夫、半月板もキレイですね、…と進んでいって、膝蓋骨をつくつくしたときに、
まるでクッションにパンチするみたいに、棒がふにふにとめり込んでいったんです!
お医者さんに、「あ、これだねー」と言われました。
日本語では膝蓋軟骨軟化症、英語ではchondromalacia patella。
文字通り膝蓋骨の軟骨部分(裏側)が軟らかくなっちゃう症状です。
まぁこれは手術でどうこうできる問題ではなかったので…。どんまい。って感じです。
さて、いよいよ手術。
手術室に響き渡るガンガンものすごい音と衝撃。
“何してるんですか?”と聞いたら、“あー今ね、ノミで骨削ってるから”というお答え。
ひぇ~、ノミ!(tibiaの一部をpatellar tendonのinsertionごと割っている)
しばらくすると、今度はががががががっていう音と振動が。
“今はドリルで穴開けてるよ~”
ひぇ~、ドリル!穴!(移動させた骨に穴を開け、スクリューで固定する為)
もう自分は一生歩けもしないんじゃないかと思いました(笑)
しかもドリルの振動がお腹に響いてくすぐったくて、笑っていたら、
“こっちは楽しくないですよー”と突っ込まれてしまいました。
そんなこんなで2時間の手術は無事終わり、お医者さんに誉められるほどの回復スピードで、
(あなたには手術が合うと思ってたんですよ!と言われた…。誉め言葉?)
その半年後くらいに、スクリューを抜く手術をもう1回しました。
これは、10分ほどで終わるはずが、何故か麻酔が効かないという悲劇に見舞われ、
結局30分以上かかってしまいました。しかも結局麻酔はかからず仕舞い。
この2本のスクリューは、今も日本の実家に置いてあります☆
なんだかめちゃくちゃ長くなってしまいましたが、今こうしてATを目指している者として、
手術を自分の体で経験できたってことは、大きな財産になるって思ってます。
だから、色々あったけど、成るべくして成ったのかなって。振り返ると、どれも今の為って気がする。
※1…通常はpatella:patella tendon=1:1だが、
1:1.2(20% longer)になってしまう
⇔patella baja、こっちはpatella tendonの
ほうがpatellaの長さより短い
←この図は左から、Patella baja, Normal,
Patella alta。
※2…possible indication of medial femoral/ lateral tibial torsion
⇔frog eyes, possible indication of lateral femoral/ medial tibial torsion
※3…kneeの角度によってextension時にメインでfire offしてる筋肉が違います
0-20゜of flexion…VMO 20-30゜…VM
20-75゜…VI 50-90゜…VL
Rectus Femorisはthroughout
…と、最近Dr.Ransoneに聞いて知りました!すごい面白い。