調子こいて月曜日から今日まで毎日Recに行って運動していたので、膝痛し。
Chondromalaciaなので、週に一回とかならいいんですけど、こうしてコンスタントに運動しちゃうとどう頑張っても痛みが出ちゃうんですよね。明日はちょっと休もうかな。
何度か書いてきている話題(
3/27&
10/21)ですが、
Chondromalacia Patellaっていうのは所謂、膝蓋軟骨軟化症といわれる障害です。
元々はラテン語で“bad cartilage(ダメな軟骨)”という意味らしいのですが、
文字通り膝蓋骨(↑膝のお皿)の裏側にある軟骨が軟化・退化してしまいます。
原因はidiopathic=特発性=つまりはunknownと言われますが、
原因として大きく関わってくるのがpatellar tracking(※1)です。
こないだ“膝のお皿って何のためにあるの?”と聞かれたのですが、確かに一見このホネは
ただぽっかりと膝に浮かぶ、あまり意味のないモノに見えるかもしれませんね。
でもこのbiggest sesamoid、とても大事な役目があるんです。それは、
・膝の運動時における大腿四頭筋の効率を上げる
・Quadriceps or patellar tendonにかかる摩擦を減らす、というもの(※2)。
上の図のABCを見て欲しいのですが、
patellaは、膝の伸展/屈曲時に実はかなり動くんです。
伸展時(
図A:0-30゜のFlexion)には膝蓋骨の
下方がfemur(大腿骨)と接触していますよね。
quad tendonをaxis of movementから遠くにholdすることで、
quads muscleに対するlever arm(てこ)を長くします。
膝をどんどん曲げていくと(
図B&C:30-90゜)、膝蓋骨の接触面は
上部に移動していきます。
ちょっと視点を変えて、同じ絵に、Patellaとfemurの接触点にドットを打ってみました。
femurに対してpatellaがどう動いているかもこの図で分かるかと思います。
膝という関節は、伸展/屈曲時に蝶番のようにただパタパタ開いたり閉じたりするのではなく、
屈曲時にfemurが前方にスライドするのです。これに相対して、patellaがfemurに対してcondylesに引きずり込まれるように下に移動するわけです。
こんな風に、patellaは膝の動きと共に上下にすんごいスライドしてるんですね。
この一連のpatellaの動きを
patellar trackingと言います。
そして、上で触れたように
膝の角度によって、膝蓋骨の中でも異なる面がfemurと接触します。
←左の図は、20-90゜の屈曲時の膝蓋骨の大腿骨との接触面を
色別に表したものです。見ての通り、屈曲の角度が増えるにつれ、
接触面が上方へと移動しています。
90゜を過ぎたらどうなるかというと、これが←左の図です。
屈曲の角度が100゜を超えて深くなると、condylesが顔を出すため
接触面はlateralに別れます。いわゆるodd facetが出てくるのも
最大屈曲である135゜ですね。
→こんな面白いものも見つけたので
載せておきます。patellaにかかる
プレッシャーを色で表したものです。
くどいですが、
flexionの角度が上がれば上がるほど、
patellaにかかる圧力が
上に移動していくのがわかりますね。
さて、これだけのfunctionと動きが、patellaにはあるわけです。
ほいじゃあ、例えば、生まれつき骨の形が少しおかしかったら?
筋肉のバランスが悪くて、quadがpatellaを左や右にずれて引いてしまったら?
patellar trackingにはどう影響が出るのでしょうか?
Patellaは本来通るべき道からちょっと逸れてスライドし、
Distance runnerがフィールドの上を走るたび、
Basketball playerがリバウンドにジャンプするたびに、
ふたつのtendonによってfemurに押し付けられるpatellaは、
かかるべきところでは無い箇所に
abnormal pressureをかけられることになります。
結果、cartilageがdegenerateしてしまうわけです。
典型的なpatellar deformityがこの写真です→
屈曲した膝を上から撮ったレントゲン写真ですが、
上のnormalな写真ではpatellaがきちんと
patellar femoral grooveに納まっている一方、
下のabnormalなほうでは、patellaが横に
逸脱して本来接触すべきでないところが
femurに当たってしまっています。
こういった要因が、chondromalaciaに大きく関わってくるわけです。
以前カリフォルニアで、Chondromalacia持ちのCadaverを見たことがあるんだけど、
普通の人のPatellaは軟骨面がつるつるしてるのに、その人のは削れてガリガリでした。
私のもそうなのかなぁと思うとちょっと悲しい。
もうちょっと書きたいこともあるんですが、長くなっちゃったので終わり!
Chondromalaciaって軟骨だからそうそう治らないというけど、
前に何かでChondrocytesだかChondroclast(そんなのあるのかな?)だかを関節に注入すると軟骨が形成されてどうの、っていうのを読んだことがあるんですが、かなり記憶が曖昧です。
今ふと思い出して興味がふつふつと沸いてきています。もう一回ちゃんと読んでみたい。
※1: Patellar tracking、日本語で何ていうんでしょう?調べてもわかりませんでした。
Chondromalaciaがidiopathicと言われるのは、Patellar trackingに問題が無い人でも
developしうるものだからです。そういったケースでの原因は…ホントに何なんでしょうね。
fluid内の栄養が足りてないか、何らかの原因で上手くdefusionされなくなってるんでしょうか。
※2: テキストには他にも、
・control capsular tension in the knee
・act as a bony shield for the cartilage of the femoral condyles
・improve
the aesthetic appearance of the knee(膝の見た目を美しくする)
って言うのがあったんですが、これは、笑っていいところなんでしょうか(苦笑)。
でも、確かにpatellaがないと膝はかなりマヌケに見えるかな。