昨日の、ACL断裂時の補強にはHamとSoleusを鍛えよう、という話の続きです。
今日、より詳しくJimが絵を描きながら説明してくれました。
↓こんな感じの絵でしたので、載せながらちょっとまとめます。
←左が、大腿部と下腿を簡単に描いたものです。
膝の中、赤で描いてあるのがACL。後ろから前に走っています。
ACLは右の図のようにTibiaが前にずれたときにtensionがかかります。
靭帯は、tensionがかかったときに持ちこたえ、それ以上の
translationを防ぐという機能を持っていますので、
ACLはtibiaの前方の過剰なズレを防ぐ、という働きがあるのが
わかるかと思います。また、ACLでは持ちこたえきれないほどの
tensionがかった場合、ACLは損傷します。
(2D・hyperextensionのみで考えていますので、Valgus+rotation云々はここでは省きます)
そんな風にACLを損傷してしまった場合、鍛えるべきは
Hamstringと
Soleusです。まず、左の絵はHamstring収縮時の下腿部で生まれるmovementを表したものです。Hamstringは、腓骨頭・駕足・脛骨内顆などに停止します。そのため、収縮すると下腿部を後方にひっぱり、
ACLにかかるtensionをやわらげることができます。
同様に、右のSoleusもGastrocと異なりone-joint muscleなので、
収縮すると下腿部を後方に動かし、ACLからtensionを取り除きます。
逆に、ACLへのtensionを増やすのがQuadsです。膝蓋靭帯を経て
脛骨素面に停止するこの筋肉は、収縮時にtibiaを前方に動かします。
よって、ACLは伸び、緊張した状態になります。
昨日、Gastrocを鍛えてもACLサポートになるのでは?
なんて話も書きましたが、これはまったくの逆でした。
GastrocはSoleusと同じ踵に停止しますが起始の場所が異なります。
膝関節を超え、大腿骨内・外側顆にattachしています。
よって、収縮時にはFemurを後方に引っ張り、相対的にtibiaは
前方に出ます。よって、ACLへの負担を増やすというわけです。
ですから、ACL reconstructionの直後にはGastrocを鍛えることは望ましくありません。
heel raiseをするんであっても膝を曲げてSoleusのみを使うようにし、
ACLへの負担を減らすようにプログラムを調整しましょう。
…ということです。まとめおわり。
あと、今日は面白いテストを授業中に何人かでしました。
名づけて
足長テスト!ちょっとした実験であなたの足が
短いのか、長いのか、一発で分かっちゃいます。
←まず、図のように壁に頭を付けて腰を曲げます。
このとき、hipの角度は90度、背中はflat、壁にも頭で体重をかけます。
で、足元にあるのがイスかなにか、ちょっと重みもあるもの。
これを手を伸ばしてつかんで、胸にぴったりくっつくまで引き上げます。
そこから、すっと背中を起こして立ってみて下さい。
このとき、何の苦労も無く立てたあなたは足長さん!
うっ。。。と立てないあなたは胴長さんです。
私も呼ばれてやらされましたが、難なく立てました。足長さんの仲間入りです。やったー。
面白いもので、顔を真っ赤にして力を入れても立てない人もいました。
皆さんこっそりでいいのでやってみてくださいな。