Honolulu Marathonは、“足きり”のない唯一のフルマラソン。もちろん本格的にトレーニングを積んだランナーの方も真剣にレースをされますが、時間制限が無いため、初心者の方が初めてのフルマラソンを走るにも丁度良い機会ですし、思いっきり楽しもうと仮装をして走る方もいます。
これはレース出発前にロビーで撮った写真ですが、見てください、この斉藤さん(右)とK夫妻(左)の仮装っぷり!K夫妻は籍は既に入れられているのですが、今回ホノルルで結婚式を挙げられる新婚さん。出会いのきっかけもマラソンと言う、お二人とも生粋のエリートランナーなのです。今回は花嫁・花婿衣装でのマジ走りを約束してくれました。頑張ってください!
他にも、お客さんの中にはミッキーの仮装をされてる方、“関西には一家に必ずひとつある-by Oさん”という白鳥の衣装を着て走られる方もいて、目にも華やかなレースになりそうです。
それから、フルマラソン開始の25分後にスタートするレースデー・ウォークという、
カピオラニ公園までの10kmを歩くコースもあるのですが、これに参加される方も数名いて、
成程10人いれば10通りの楽しみ方があるマラソンなんだなぁ、ホノルルって、と思いました。
完走後のテントのセットアップに、荷物を運んでホテルとテントを行ったり来たりしていたら、花火の上がるすごい音が。どうやらレースがスタートしたみたいです!3万人近い参加者がいると聞いてはいましたが、本当に道一杯にどこまでも人の波が続くので圧倒されてしまいました。
えーと…この波を越えて荷物を向こう側のテントまで運ばないといけないんだけどな(笑)。
何度か書いていますがレーススタートが5:00am。この時間はもちろん夜明け前で、辺りは真っ暗です。皆さんが一生懸命走ってらっしゃるころ、私たちトレーナー一団も暗闇で必死にテントの設営をしてました。皆さんのタオル等の荷物を運んだり、飲み物を作ったり、Cold Whirlpoolを作ったり…。
ばたばたしていると少しずつ空が白んできて、Diamond Headが綺麗なシルエットを見せてくれたので思わず写真をぱちり。心和む瞬間です。
そうこうしているうちに、10kmウォーキングを終えて帰ってこられる方がちらほら。
ここからがトレーナーの第二の山場です。レース完走(もしくは完歩)者のアフタートリートメント。
一人当たり30分弱を目安にマッサージ・ストレッチとIce tubやIce bagを用意します。
3人のトレーナーが居て、60人弱の参加者が居て、一人当たり30分ほどのトリートメントをするとなると…単純計算で10時間のマッサージです。どうして山場かもうお分かりですよね(笑)?
←マラソン走者で一番に帰ってこられたのはIさん。すごいすごい、お疲れ様です!5時間6時間が経つころには続々と皆さん帰ってこられて、“戻ってきましたー”と、皆さんが満足そうな笑顔を見せてくれるとこっちまで嬉しくなっちゃいました。私はフルマラソン(どころかハーフマラソンもですが)の経験が全くないので、42.195kmと聞いただけで脳みそがとろけてくるくらいなんですが、それでもフルマラソン初参加の方々もしっかり走りきって戻ってこられるので、そのパワーには純粋に感動しました。
でも皆さんがマラソンを終えられるころには私たちがマラソン中なんです。その名もマッサージ耐久マラソン(笑)。地べたに座ってマッサージをしていると体重移動が思うようにできないため、開始から数時間で指、膝、足、腰が徐々に悲鳴を上げ始め、なるべく身体に負担がかからないよう途中から頭を使ってみましたが、それでも限界がありました。
かなりやっただろー、と、現地スタッフ・まさみさんに“あと何人ですか?”と聞いては
“えーと、今17人待ちです”と返ってきて聞くんじゃなかったと後悔したり(笑)。
それでもフルマラソンで酷使した皆さんの身体を少しでも楽にしたかったので、
質を落とすわけにはいきません。3人フル回転で、本当に頑張りました。
もーこれは胸を張って言います、頑張りました。
途中ホテルに戻って予約ケアの人のマッサージも交えながら、
最後のランナーのマッサージが終わったのが6:00pm頃。
最後のほうは何度も気を失いそうになりましたが、何とか無事に終えることができました!
ぎゃー、Good job trainers, SERIOUSLY!
ひとつだけ、悔しかったのがcrampが出たランナーの数が多かったことです。
“テーピングのお陰で調子よく走れてたんだけど、途中で攣っちゃってもうそれから…”って言われてしまうと、やっぱり悔しいですね。ホノルルの気候や湿気、それからコースのアップダウンの激しさを考えれば、レース前やレース中のしっかりした水分補給は当然欠かせませんが、
これは本当にcramp予防の最低限のラインでしかありません。
身体の中の電解質のバランスが崩れてcrampが起きるわけですけど(詳しくは
3/31・
7/23)、
正しい電解質のバランスをrestoreするのは、レース前の数時間や1日前で行われるもんじゃないんです。直前に水飲んだから大丈夫、っていう問題ではない。これはもう、普段の生活習慣から全て影響してくるものなんですね。だから、本当の意味で痙攣を予防するにはランナー一人ひとりを教育して正しい知識を得てもらうことが非常に大事になってくるんですが、今回はそこまでできる時間的余裕がありませんでした。そこは自己管理、と言ってしまえばそれまでだけど、もうちょっと前からしっかり情報だけでも伝えられれば少しは違ったかな…と思うとやっぱり残念。
マラソンでは、crampは天敵ですもんね。一回攣ってしまったらやっぱりキツいです。
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さてさて。話は戻って、レース後には、完走パーティーがありました!
Honolulu Zooの一角で、キャンドルを囲んで皆で夕食。レースの緊張感からも開放された皆さんは美味しい料理にビールにと、ゆったりした時間を楽しんでもらいました。私も皆さんと初めてゆっくり話す時間ができたので楽しかったです。こうして皆さんの個々の性格が見えてくると、実にユニークな人が多いってことに今更気づいてきてしまいました。皆さん最高に面白いです。
テーピングのお陰で心配していた痛みが全くでなかったよ!なんて言ってもらえると、
皆さんの頑張りがあってこそのその結果だとは思うのですが、でもやっぱり嬉しいですね。
←パーティーの最後には、K夫妻のウェディングケーキの入刀がありました!御夫婦で衣装を交換されていて、もう皆で大爆笑。そうそう、このK夫妻、普段はフルマラソンを2時間台で走られる強靭の肉体をお持ちなのですが、今日のあの仮装を着ても3時間台で走りきられたそうで、もうただただ感服するばかりです。正にお似合いのカップル、私のヒーロー&ヒロインであります!本当に、末永くお幸せに!
パーティーの後に予約ケアをもりもりマッサージして、12時前にはなんとか部屋に戻ってくることができました。とりあえず、一番タフな一日はこれで終わりです。。。
今日一日で、軽く12時間はマッサージしていたんじゃないかと思います。いやいや、大好きなマッサージがこんなに出来るなんで嬉しすぎて涙が止まりませんよー、ははは(泣)。