昨日の夜、寝ながらふと目が覚めて、“あ、このまま寝てたら首が痛くなる”と思ったのですが、
次の瞬間には睡魔に負けて眠りに落ちてしまったため、朝起きたら案の定寝違えてました。
もう何ていうかごきゅごきゅ。動いておけば良かったと後悔です。
寝違えるって、地味に痛いですよね!
授業中に視線をノートからボードにふと上げたり、後ろから声をかけられて振り向いてみたり、
すっかり忘れて油断して思いっきり動かしちゃって、ごきゅって痛くなっちゃうんですもの。
さて、この“寝違え”ですが、日本語でも結構適当と言えば適当な用語ですよね。
便利だけど定義が曖昧というか。それは英語でも同様で、stiff neck、cricking neck、rock neckやhead-banger's neck(←このへんはヘビメタやロックコンサートの翌朝に首が痛くなる、
とかいう話から来てます)等、色々適当な呼ばれ方をしています。
原因も症状も、ピンからキリまで実に様々なものが考えられるのですが、
(※単にsoreな場合もあるし、筋肉その他が炎症を起こしている場合もあるだろうし、
血行が悪いことも。症状も、動かせるけど痛い、から、全く動かせない、まで色々です)
今日はそのうちのひとつ、
Acute Torticollis(Wryneck)について書いておこうかと思います。
Torticollisは元々ラテン語でTorti=twisted、Collis=neckという意味。
日本語では“斜頚”と呼ばれ、文字通り首がナナメに傾いてしまう症状のことです。
定義としては、ちゃんと書くならば“prolonged involuntary contraction or shortening of neck muscles, usually on one side, leading to abnormal postures or movements of the neck”と言ったところでしょうか。
まぁ早い話が“首が曲がってるぞ”ってそれだけなんですけど。
torticollisは寝違えよりは多少specificな語になりますが、
それでも非常に広く使われている用語には変わりなく、原因や症状は様々です。
比較的稀ですが、生まれつき首が傾いているという
congenitalな場合もあります。
muiltiple birthや子宮の異常な形などが原因で胎児がuterusのカベに押し付けられ、
Cervical vertebral abnormalitiesをdevelopしてしまったり、
出産時に何らかの理由で首の筋肉(主にSternocleidomastoid)を怪我したり、
blood supplyがdisruptされたりするのが原因です(どういう訳か女性のほうが多いらしい)。
一方で
acute(急性)なケースは非常にcommonです。皆さんも一回は、起きたら首が変に曲がってて動かせなかったって経験はありませんか?私は一度や二度じゃありません(笑)。
acuteと一口に言ってもこれまた様々な理由が考えられるわけですが、
何らかの形でのfocal dystonia(局所的筋緊張異常)が関わっているケースが多いです。
まず首周りのAnatomyの話から少ししたいと思います。
↓spine/vertebraeのregionは、
cervical,
thoracic,
lumbar,
sacral, それからこの絵にラベルされてはいませんが一番下の
coccyx(いわゆる尾骶骨)と、5つに分かれています。
sacralとcoccyxは元々fusedで非常に特殊な形をしていますが、cervical, thoracic, lumbarもそれぞれにかかる負担の量や機能が違うため、よく見ると個々の椎骨が全く異なる形をしているのです。
上の図がCervical, Thoracic, Lumbar, ↑それぞれのtypical vertebraeです。
何故“typical” vertebraeなんて遠回しな書き方をするかと言うと、同じregionの椎骨でも
徐々に下に向かえば向かうほど形が変化していくわけで、例えばT1とT12では同じT-regionでも随分違う形をしているんですね。だから、代表的・特徴的なものをそれぞれから抜き出した図がこちら、というわけです。個々のregionの特徴は
このサイトが非常に分かりやすく解説しています。興味のある方はどうぞ!
さて、これだけ形がちがうとそれが関節や機能に実際どう影響してくるんでしょうか。
面白いことに、regionによってfacet jointの接触面が全く変わってくるんですね!
Cervical fecet jointは図のようにイメージとしてはほぼ水平な感じです。
一方でThoracicでは並列に垂直に、Lumbarでは向かい合うように垂直に、meetしてます。
元々cervical vertebraeはposterior sideに負担の掛かるconvex curve
をしてますから、睡眠時にうつ伏せだったり首を片方に極度に曲げて寝たりすると、
さらにvertebraeのposterior regionにadditional stressをかけることになりますね。
これに、たまにsynovial membraneの一部が挟まってしまうことがあります。
これが原因で周辺のnerveがirritatedされ痛みを感じ、pain→spasm→pain→spasmの悪循環に入ってしまう、これがtorticollisを説明するメカニズムの一例です。
ネットではSCM involvementがほとんどって書いてあったのですが、
今回の私のケースは明らかにupper trapが痛いです。珍しいのかな?
トリートメントは基本的にspasmを扱うときと同じ。
ただ、首周辺なのでiceよりはheatのほうがbetter choiceだと思います。
heat, massage, mild stretch, muscle relaxants, analgesics, severeなケースでは首を支えるためにsupportive cervical collarを用いるときもあります。facet jointにimpingedされたmembraneをリリースするために、Cervical spine tractionを使うのもいいでしょう。
夜に熱いシャワーを首にしばらく当てていたら、やーっとかなり楽になりました。
朝に浴びておけば良かったかな。
つまりそんなわけで、変な格好で寝てると思ったら睡魔に負けずに頑張って動きましょう。
間違ってもこんな寝方はやめましょう。
うーん。ここまで調べ物をして余計に首がこったような気がするのは気のせい??