今日は気合を入れて講義に行ってきましたよ!
せっかく来ているのだから全力で学ぶべきときは学ばないと損です。
それが社会勉強であれトレーナー勉強であれ(笑)。
最初に出たSessionは“Advances in Management of the Knee”でした。
特に勉強になったのはACL reconstruction surgeryのgraft optionsについて。
ACL再建のために、断裂したACLの代わりにどの部位を使うのか、ということに関しては様々な選択肢があります。まず大まかにはAutograft or Allograft。
Autograft(自己移植片)とはその名のとおり自分の身体を一部を取って移植するもの。
例えばHamstringの一部(Gracilis and/or Semitendinosis)、BPB(bone-patella tendon-bone)、もしくはQuad tendonの一部を使う、などのchoiceがあります。
Allograftは、Allo=他の、異性体のという意味どおりCadaver(献体)の身体を使い、
Achilles tendonやBPB、Hamstring、Tibialis Anterior等を移植します。
そんな風に選択肢は山のようにありますが、当然どれにもpros and consがあるわけです。
例えば
Allograft全般。Patella tendonの1/3だけ…なんてみみっちい(?)ことはせずに
その気になれば全部使えるわけ(※1)ですから、もっとも強度のある再建ができます。
手術にかかる時間も短く、その分手術代も安くなりますし、患者本人の傷も最小限で済みます。
しかし、他人の身体であることには変わりありません。当然rejection(拒絶反応)の可能性はゼロではありませんし、少ないとはいえ、病気等の感染の危険性もあります(※2)。
それでは
Autograftはというと。
健康な身体の一部を切り取るわけですから、そこが当然不健康になってしまいますよね。
PTにしろQTにしろHamにしろ、削られた部分はたまったもんじゃありません。
Hamを使って手術したものの、復帰を急ぎすぎて今度はHamをstrainした、という経験談も聞いたことがあります。Tendon ruptureのほか、BPBではPatellar fxの危険性もあるそうです。
Autograftのindividual choicesをもうちょっと掘り下げていくと、
これは私自身大学の授業や実習で習ったことも混ぜていくとですね、例えば、
・BPB…<良>Most studied & steady, 2-3日でcrutchesを外せる。
<悪>Most difficult to regain full ROM (特にext), painful in rehab,
More potential complications such as weak Quads or chronic
probs (tendinitis, bursitis etc)
・Ham…<良>Currently most common, less complications, less painful
Relatively easy to regain ROM
<悪>crutchesの期間が長い, Patella tendonに比べて弱く、伸びやすい
等の、様々な要素が絡んできます。Quadsについては授業等でやったことがないのと(というかうちのAthletesでquadsを使った子は今のところ見たことがありません)、上手いことメモを取れなかったのでちょっとここでは書きません、ごめんなさい。
そんな風に、それぞれ良いとこ悪いとこあるとしたら。結局一番良いのってどれなんでしょう?
答えは、it depends!なんです。患者さんのactivity level(プロなのか、趣味レベルなのか)や性格、年齢などを考えて、お医者さんが一番合ったものを選ぶしかありません。
もちろん、アスリート自身に希望があれば、それを使うことになりますけどね。
でも実際、お医者さんには結構“お気に入り”があるらしくて、このお医者さんだとほぼBPB、とか、この人だとQuadsが多い、とかいうのを自分の病院で集計して出してくれていました。
本当に好みがハッキリ出ていて面白いです。あるんですねー、こういう好みって。
あとですね、興味深かったのが、やっぱり元々のACLに比べて、移植したtendonでは
どうしてもしなやかさ等、機能的に劣ったものになってしまうそうです。
Strengh to failure=Str, Stiffness=Stiとするとですね、
Native ACL Str=2160 Sti=242
Patellar tendon Str=2977 Sti=455
Quad, Semiten, Gracilis Str=4140 Sti=805
というように、どうしても損傷が伴い、堅くなってしまうそうです。
これはどうしてか?というと、やはり切り取ってから移植までの間に時間が少なからず経ってしまうわけで、その間に血液の循環を経たれた部位はischemic necrosisを起こし、
fibroblastが死んでしまったりします。よって、生きているnativeのtissueそのものとは違う、
こういった機能的損失を起こしてしまうわけですね。当然だけど、難しい。
手術自体はATの分野ではありませんが、手術そのものや手術による影響を知っておけばその後のリハビリのプランを立てるのに大いに役立つはずです。
患者の性格を把握し、それぞれにベストな手術を選ぶ手伝いができるようでありたいですね。
そして、それぞれに個人化した適切なリハビリでアスリートをfieldに戻せるようでありたい。
なかなか興味深い講義でした。
それから夕方に出た、ピラティスの講義も面白かった!
“Pilates as a Tool for Creating Muscle Balance in the Shoulder and Pelvic Girdles”っていうbig hallで行われたものだったんですけど。
詳しい内容は省きますが、exerciseの実演が充実していてとても目に楽しかったです。
見ていて思ったんですけどね、行きたい大学院への条件が、だんだん自分の中で具体的になってきました。私は、怪我の予防を実践している大学へ行ってみたい!
ピラティスやヨガ。それからcore exerciseにMETやManipu等の知識やテクニックって、
筋肉のバランスを整え、歪みを直し、身体の一部にかかるabnormalな負担を減らすことで
怪我の予防に大いに貢献ができると私は思っています。もっと言うとストレッチなんかも全て入るんですけど。これら全てを上手く使い分けて上手に身体を作ることで、大概のChronic injuryは防げるようになるはず。私は怪我にこういうアプローチをしていきたいんです。
でもね、本気で予防を実践しようと思うと時間と手間がかかるんです。
実際に現場で仕事をしていく上で、“効率”はとても重要なfactorですから、
それに反してしまう“予防”を実践している学校ってとても少ないんじゃないかと思います。
少なくとも私の大学では実践できているとは思えない。これはDavidも以前に言っていました。
予防は一番大事な仕事で、そして同時に一番軽視されている分野なんだ、って。
それじゃいけないんだけどね、って。
そう、それじゃいけないんです。起こった怪我をtreatするだけがATの仕事じゃありません。
予防が出来る。こんなProfessionは他に無いのです。一番の魅力だと思うんです。
だから、そういうところを突きつめて実践してる学校って、すごく興味がある。
あるのかどうかも分からないけど、きっとどこかにあると思うんです。
効率と予防、もっというと効率と質とのバランスを取ろうと尽力しているところが。
他にも色々大学院について考えてることはあるんですけどね。方向性、だいぶ見えてきました。
夢は尽きないぞ。
※1…ACLはそもそも幅が平均1.1cmですから、全部使ったらかなりぶっといんですけどね。
※2…もちろん手術に使われる献体は厳しい検査の上に決まるわけで、
病気を持っていないことを確認した上で使われるのですが、
それでも可能性がゼロとは言えないんですよね。
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講義でたっぷり学んだ後には、たっぷり遊ぶ!
というわけで、Atlanta BravesとBoston Red Soxとの試合を観に行ってきました。
←でもその前に、会場近くの駐車場でBBQ!突発的に思いついた大先輩方がチカラを合わせて突如企画・実行してくれたらしいのですけれど、完璧な手際の良さと美味しさでした!お陰さまでとっても楽しい思いをしてしまいました。ありがとうございます!
試合はというとかなりの満員具合。
しかもAtlantaホームなのにBostonファンの多いこと多いこと。ギリギリにチケットを取ったので立ち見だったこともあり、
あちこち歩き回りながら観戦してました。
でもですね、歩いていたらなんとBoston側のブルペンに辿り着いちゃって、こんなところ→でブルペンと試合とを同時に観察しながら観戦する、という豪華なことをしてしまいました!
抑えのピッチャーとか、出番は数イニングでも、その随分前から熱心にストレッチしていたりアップしていたりするんですね。ブルペンを生でこんなにしっかり見たのは初めてで、新鮮でした。楽しかった!
試合が終わった後には綺麗な花火がしばらく上がっていて、
皆で立って眺めてしまいました。日本の花火大会を思い出しますね、ああいうのを見ちゃうとね。
お腹に響く音とか、匂いとかがすごく懐かしくて、ちょっと日本に帰りたくなっちゃいました(笑)。
とってもとっても充実した、楽しい一日でした!